澤井
山小屋の灯
山小屋の灯
野ばら社 愛唱歌集より 1,2番転記
1. たそがれの灯は ほのかに点りて 懐かしき山小舎は 麓の小路よ 想い出の窓により 君を偲べば 風は過ぎし日の 唄をばささやくよ |
2. 暮れゆくは白馬か 穂高はあかねよ 樺の木のほの白き 影もうすれゆく さびしさに君呼べど 我が声空しく 遥か谷間より こだまはかえり来る |
昭和20年代のNHK。この唄と「山の煙の・・」、「山には山の・・」、「紫煙る新雪の・・」がよく放送されました。 いずれも美しい歌詞と、メロディです。
これらの唄に培われた山への憧れ。それを目覚めさせた旧友撮影の写真。山志向の原点です。
唄を素直に楽しめばよいのですが、先日ふと気になりました。 この唄には具体的な地名が読み込まれています。 ではこの景色はどこで見られるのでしょうか?
白馬岳は長野・富山の県境で、北アルプスでも北のほうに位置します。
穂高岳は長野・岐阜の県境で、北アルプスの中央やや南に位置します。
両者を結ぶ線より西からが、夕焼けが美しく見えますね。とすると笠ヶ岳?
問題があります。 笠ヶ岳の白樺樹林帯まで下がると黒部源流域の山陰になって白馬は見えそうにありません。 西の説は同様の理由で無理。
旧友は槍・穂が美しく見えることで有名な常念岳を挙げました。 しかし、白馬を望むには白樺樹林帯の問題が残ります。
思い切ってフォッサマグナの東まで行けば三者とも見える場所があり得ます。 ただし、遠すぎて穂高の夕映えが美しく見えるか問題です。 美ヶ原のあたりで長期滞在してみたいですね。
この唄とともに青春を過ごした長姉の話。 当時も同じ話題があり、この風景は「想い出に作者の想像を加えた」ということで終わったそうです
最終更新:17/08/15
新規掲載:04/04/28
新規掲載:04/04/28
© T.Sawai