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澤井

菊の季節

の季節が来ると懐かしく思い出す人があります。
菊
盆栽菊
 散歩の途中で出会ったその方は、大正末期か昭和初期の生まれに見えたので、老翁としておきましょう。 小柄で気さくな人柄、「ちょっと寄って話して行かないか」。 誘われるままに、時々、対話のひと時を楽しく過ごすことになりました。
 老翁の地区にあった林道計画など話題は多岐にわたりましたが、大部分は趣味の話。 わたしも趣味のスキーを続けるために、毎日2万歩の散歩をし、出会った花鳥風月の写真を撮影していることなど。 老翁は趣味の一つである盆栽菊の仕立て方について、枝の位置や長さの決め方など、楽し気に話されました。
 老翁は豊富な話題の中で、あるとき、ただ一度だけ1945年8月のことを話されました。
 「これは次の世に伝えたい」と思い、ここに記録しておきます。
なお、話について各自考えて頂くため、あえて解説を控えます。 また老翁のご家族に迷惑が及ばないよう、前置きも含めて氏名・地名は秘匿しておきます。

以下老翁の話:
私は特攻隊の教官として基地にいた。 その日、「戦争に負けた」と聞いて本当に怖かった。
かつて日本軍が占領地でやったことと同じことを占領軍にされるのでないかと考えると怖くて仕方がなかった。
実際に占領が始まって、同じことが起きなくてホッとした。

以上



最終更新:17/10/12
新規掲載:17/10/11
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