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澤井

残雪

カモシカの足跡
カモシカの足跡
イノシシの足跡
イノシシの足跡
降りたての雪は軽くて軟らかいが、歩きにくい。
気温の上下を経験するたびに融け・凍り、少しずつ締まってくる。
夏には茂っていた林の中。
下草や低木は締まり雪に押さえられ、自由に歩ける明るい空間ができる。

早春に残雪の林を歩いてみよう。
防水の効いた軽登山靴でよい。
スキー・スノーシュウズ・かんじき、どれかあればさらに良い。
締まり雪は沈まない。足元は気にならない。

木の根元だけは丸く雪が融けている。木のぬくもり。芽吹き始めた木々。
葉を落とした木の隙間。さえずりを始めた小鳥たち。
故 郷(ふるさと)
   高野辰之 作詞
   岡野貞一 作曲
うさぎ追いし  かの山
小鮒(こぶな)釣りし  かの川
(ゆめ)はいまも  めぐりて
忘れがたき  故 郷(ふるさと)

雪の上にはいろんな動物の足跡がある。
深く沈むんだシカやカモシカの2本の爪の跡。
周囲が融け、ぼんやりと大きいのは古い足跡。

後ろ足の足跡が長いのはウサギ。
足跡に遭う可能性が最も高い。
それが新鮮なら、たどれば追いつけそうに感じる。
兎は縦横に走り回る。
そのうちどれが最新の足跡か分からなくなる。

最終更新:17/08/17
新規掲載:05/11/20
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