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澤井

停電事故(−散歩道−)

2003年夏ニューヨークを中心に停電事故が発生しました。 アメリカ東部からカナダまで巻き込み、被害地域は日本の面積に匹敵します。
長いところでは、2日に渡って停電が継続しました。
1964年夏ニューヨークでほとんど同様の事故が発生しました。 このときは長いところで3日間停電が継続し、死者までも出ました。 この事故は映画になりましたので知っている人もあるでしょう。
特に都会では、停電事故は大変な被害をもたらします。
   高さ300mにも達する高層ビルには、停電すると生活必需の水が届きません。
   多くの老人にとって、エレベータなしでの標高差300mの移動は不可能です。
   地下に暮らす人にとって、照明と換気のための電気は不可欠です。
   大病院には、電気の助けで生きている人が沢山います。
電気の助けを借りて精密な仕事を行っている企業はもちろん大被害を受けます。 工場などでは停電が原因で中間製品が爆発する可能性もあり得ます。
事故後、北陸のある県では電力会社を呼んで事故の可能性を諮問しました。 半日ぐらいで回復するという電力会社の説明に納得していました。( !? 楽な仕事ですね)
上記のように停電の影響は余りにも大きいので、30分以上の停電が給電地域の半分近くになれば電力会社としては大事故です。
1964年の事故以来、大きな需要家は30分間の停電から自衛するための発電所を施設内に準備しています。 それでも今回死者が出る寸前だったと思われます。
2003年夏、東京電力では同様の事故が十分起こると想定していました。 一部地域を強制停電させて事故の広域化を防止する対策も検討されていました。 危機を救ったのは夏の熱気をヨーロッパに偏らせた異常気候でした。
大停電事故が起こりうる根本的な原因は
   1.電力の貯蓄ができないこと
      蓄電池を用いる小規模な貯蓄はできていますが,大規模な物は未完成です
      そのため、常に需要と供給の均衡が必要です。
      これが破れると品質低下(電圧・周波数の不安定)・停電事故に繋がります。
   2.供給源と消費地が離れていること
      離れているために郊外から都市への電力の流れが発生します。
       流れがどこかで渋滞すると迂回先でまた渋滞の原因となります。
       この結果上記の不均衡の原因が発生することがあります。
      発電所を作るとき,業者も行政も安全だといいます。
      本当に安全なら,大都市の真中に発電所を作ればこの問題は大幅に改善できます。
   3.その他
      いろいろ考えられますが,別途記載します。

最終更新:17/09/09   新規掲載:04/08/12
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