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澤井

森(−散歩道−)

物は光合成をします。これは誰でも知っていることです。 植物は光エネルギーで炭酸ガス(二酸化炭素)を有機物に換え、酸素を産出します。 国内の大きな森林が吸収する分、多くの炭酸ガスを排出しても良いと主張する大国さえあります。
森は本当に炭酸ガスを吸収するのでしょうか?
近な田圃(たんぼ)で考えてみましょう。
1uの田圃で生育する量は、1年間に稲わらと米合わせて100kg近く。その成分の大半は水です。 乾燥した残りの蛋白や糖の合計は数10kg。その原料の重量の約半分は炭酸ガスです。かなりの量ですね。
吸収した炭酸ガスの行方を追ってみましょう
日本の田圃では、稲わらの大部分は病気などの予防のため燃やしてしまいます。
  すなわち、すぐに炭酸ガスに戻しています。
  もし燃やさずに堆肥にしたとしても、微生物が分解して炭酸ガスに戻します。
作物の米は人間などが吸収してエネルギーに転換するとき炭酸ガスに戻ります。
結局、ほとんどすべて1年以内に元の炭酸ガスに戻ります。
で起こることもほとんど同じです。
立体的な森では田圃より多くの炭酸ガスを吸収します。 年々大量のガスを吸収する一方なら、その分だけ森の地面が上昇するはずですね。 地面がどんどん上昇する森など、誰も知りません。 つまり、大部分の植物は、炭酸ガスの循環の一部を担当していますが、炭酸ガスの吸収にはほとんど貢献していません。 ただし、新しく森が出来るとき大量の炭酸ガスを吸収します。逆に森が消えるとき、大量の炭酸ガスを放出します。
文は、森が不要とは主張していません
木が成長し始めてから枯死し分解が終わるまで数百年かかります。 このことから、森の存在により炭酸ガスの急増・急減が押えられます。
植物は自由に移動できません。 生活環境を選べない植物は、温度を調整し水を蓄えるなど、自ら環境を整えて生きています。
したがって植物の存在により、動物にも住みやすい環境が作られます。
植物が作り出す環境を、人工的に作ろうとすると莫大なエネルギーを必要とすることでしょう。
酸ガスの固定に働いている植物の存在が知られています。 高山や極地などの寒冷地の沼に生えているコケ類です。
寒いのでコケの死骸は完全には分解されず、泥炭とメタンガスなどが生成されます。
  すなわち、炭素にまで還元されて残ります 寒さのためコケの成長は遅いので、短期的な効果は期待できません

最終更新:17/08/21
新規掲載:06/06/13
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