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澤井

月の顔(−散歩道−)

はいつも、同じ顔を見せています。なぜでしょうか?
先ず、月について理科年表を調べて見ます。
  地球と月の間の平均距離は約38万q、これは地球半径の約60倍
  月の半径は約1700q、これは地球半径の約1/4
  月の質量は地球の質量の約1/100
  月の地表での重力は地球の地表での重力の約1/10
重力は重心からの距離の2乗に反比例(万有引力の法則)により
  月の軌道上での地球による引力は、地表の1/3600
この力と、月の公転による遠心力が釣り合っていることになります。
て、月の軌道から、0.4%(月の半径分)外側に外れて月と同じ速さで回るとどうなるか考えて見ましょう。 遠心力は回転半径に比例するので 0.4% 大きくなります。 また重力は距離の2乗に反比例するので約0.8% 減少します。双方合せて約 1.2% の力が外向きに働きます。
この力は月の重力に比べて小さいので、月表面の物が外側へ飛び出す心配はありません。
逆に軌道から、0.4%内側に外れて月と同じ速さで回ると、前段と同様にして、遠心力は回転半径に比例するので 0.4% 小さくなります。 また重力は約0.8% 大きく、双方合せて約 1.2% の力が内向きに働きます。 この力は月の重力に比べて小さいので、月表面の物が地球側へ飛び出す心配はありません。
これらをまとめると、、月のように大きさのある天体には軌道の半径方向に引き伸ばそうとする力が働句ことが分りました。
地球と月の重心の周りを公転している地球にも同じ力が働くので、海水が月側と反対側に引き伸ばされています。
体がラグビーボール型の場合、この引き伸ばしの力は長軸を力の方向に揃えようとします。
今は使われなくなったスペースシャトルは姿勢安定化にこの力を利用していました。
もし大型の人工衛星に乗船する機会があれば、この力を実感してみたいですね。
ラグビーボールほどではありませんが、月は球対称でなく西洋梨型をしていて、やはり軸を引力方向に揃えようとする力が働きます。 これで月が同じ面を地球に見せているのだと言い切っている人が沢山います。
もし、自転が公転より早かったらどうなるでしょう。 たまたま軸が直角方向の時から考えます。 軸を引力方向にそろえる力が働き、この力で加速しながら重力方向へ回転します。 しかし、この回転の勢いのまま更に回転し、減速しながら直角方向に向かい、直角方向を超えてさらに回転を続けることになります。
自転が公転と同じならどうなるでしょう。
軸が直角に近いところにあったとすると、引力方向に揃える力が働き、加速しながらその方向に近づきます。 しかし勢いが続いているのでそこでは止まらず更に回転を続けます。 結局反対側に元と同じ角度まで回転し、方向を変え前と同様の揺れを続けます。
月も少し揺れているのですが揺れ幅が小さくほぼ静止とみなせます。
最初からほぼ静止状態と言うのは考えにくいので、静止するメカニズムを説明する必要があります。
間を大きく約40億年前にさかのぼります。 地球が生まれて間もなくで、まだ柔らかい状態の頃に、小惑星が衝突し、そのショックで月が生まれたと考えられています。 その頃地球も月も今よりずっと早く自転した。 また月はずっと地球に近いところで短い周期で公転していたと考えられています。
互いに近くにあったので引き伸ばす力も強く、まだ柔らかい月も地球も強い潮汐力でラグビーボール型になっていました。
海水とは異なり、粘性の強い溶岩の潮汐には強い抵抗が生じます。 この抵抗により地球も月も自転速度は急速に減速、月の公転軌道が大きくなり現在位の状況に近づいたと考えられています。
月が遠く離れたため互いの引力が小さくなったため自身の引力で双方ともに球形に近くなり、冷えて形がほぼ固まりました。
ただし、地球は変形できる海水があるため、少しずつ地球の自転は遅く(0.3ミリ秒/年)なり、少しずつ月は離れていることが観測されています。
このペースでは地球と月が互いに同じ顔で見つめあう日が来る前に太陽系が終焉を迎えそうえす。

最終更新:17/09/03
新規掲載:17/09/03
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