散歩道 > バネ > メール
澤井

バネ(−散歩道−)

条:この表現を知らない人が大部分と思います。 バネと言えば知らない人はおそらくいないでしょう。
たぶんハネルとかハズムからきた言葉ですね。
金属製のもの、ゴム、プラスチックからできたもの、木、空気、そのほかいろんな材料が使われています。
さんがすぐ連想するのはツルマキバネでしょうか。 そのほか板バネ、ゼンマイ、形もいろいろですね。
バネの基本的な性質は、元の形に戻ろうとするところです。その力は変形の量に比例します。 しかし、中には肌着のゴムのように、変形量に関係なくほぼ一定の力を出すバネもあります。 どんな工夫をしているのでしょうか?
ネはいろんな役割を荷っています。
たとえば自動車では、皆さんがすぐ思いつくのは衝撃の吸収でしょう。 しかしもっと大切な役割があります。バネがないと自動車は走れないのです。
バネの大切な役割の一つは、力の平均化です。クッションに座るときを思い出してください。 体重を一箇所で支えればおそらく力が集中した場所に穴があくでしょう。 この力をクッション全体に同じような力に分散することで楽にしてくれます。
自動車の場合バネがなければ、車輪の一つが石に乗り上げるとその車輪に車重の多くがかり、他の車輪が空転してしまいます。
rope
の写真は、バネの作用を非常にうまく利用した古代人の知恵です。
繊維を写真のようにより合わせると、構成している繊維にはねじれを元に戻そうとする力(バネ作用)が働きます。 これにより、ロープ全体にかけた力の平均化が行われるので、力を全体で支えます。
同じ断面積・強度の柱状に作ったとします。これを強く引張ると、偶然力が集中したところから切れ始めます。 すると、そこが支えていた力が別のところに集中することになります。 これを繰り返し、意外に小さな力で一気に破断します。
つまり、写真のようにより合せてばねを作ることで、材料の繊維の強度を最大限に利用していることになります。
二次世界大戦の頃アメリカで Nylon と言うすばらしい繊維が発明されました。
その性能に注目し、Nylon を用いた軽くて水にも強い登山用のロープが作られました。
このロープを使った登山者が遭難し、ロープの破断面から事件かと大問題になりました。氷壁と言う映画にもなった事故です。
当時の技術では単位になる繊維が太かったのでバネ作用が十分でなく、破断して滑落が止められなかったようです。

最終更新:17/08/28
新規掲載:04/04/29
© T.Sawai
サイト内の広告について一切責任を持ちません
inserted by FC2 system