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澤井

雷の卵(−散歩道−)

雹の写真
09/12/18 越前市で撮影
 右は09/12/18に福井県越前市に、 激しい雷鳴を伴って降った雹(ひょう)の写真です。 雹や霰(あられ)は雷と深い関係があります。
 積乱雲=雷の母の胎内の水蒸気を含む上昇気流の中で、 強い冷気で冷やされて
    水蒸気(気体)→雨滴(水)→霰(氷)→雹(氷)
のように成長する過程で、正電気を持った砕片と負電気を持った大きな塊(かたまり)とに分かれます。 この帯電機構については種々の説があります。 砕片は上昇気流に乗って雲頂に、雹は重力で下方に移動します。 この結果、積乱雲の上部は正の、下部は負の電気を持つことになります。 また、雲底に集まった塊が地表まで落下したのが雹や霰、途中で溶けたのが夕立や集中豪雨です。
 正と負の電気に分かれたときの電圧は1ボルト以下ですが、分れる前の位置に戻るように電気力(引力)が働きます。 この引力に逆らって上昇気流で運ばれるときに電圧が上昇し、 10億ボルトに達することもあります。
 空気は絶縁物で、送電線の下を通っても感電しないことを経験しています。 しかし1m当たり100万ボルトを超える電圧をかけると絶縁が壊れ、良導体になります。 雷雲に向かって尖った物があるとそこに電圧が集中し、そこから絶縁が壊れて落雷が発生します。 その結果、10万アンペアを超える電流が流れ、電流の通路の空気は数千℃にも加熱される上、同方向に流れる電流間に引力によって電流路は圧縮されて高温になり青白く光ります。 これが稲妻(いなずま)または稲光(いなびかり)と呼ばれます。 さらに電流が止まって圧力が解放されると空気が爆発的に膨張し、大音響を発します。これが雷鳴です。
 このように、霰・雹ができることが雷の発生に大きく関わっています。霰・雹は雷の卵と言えるでしょう。

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最終更新:17/08/16
新規掲載:09/12/19
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