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澤井

梅にウグイス(−散歩道−)

ご隠居:梅が終わって。そろそろ桜の季節だね。
熊さん:梅と言えば子供の頃に「梅の小枝に鶯が、…」と言う歌があった。 梅の花を見ながら、「いつ鶯が来るのだろう?」と待っていた記憶があるよ。
ご隠居:ウグイスは山里から低山までの間で比較的狭い縄張りを作る。 その中の地面から人の膝ぐらいの高さの間で、普段は番(つがい)で生活している。 藪の中で目立たないよう地味な色だ。

メジロ
メジロ
 ウグイスの典型的な囀り「ホーホケキョ」は縄張り宣言。 梅が咲く頃は新しい縄張りを作り始めるため竹の頂上ぐらいまで上がって囀ることがある。 縄張りができてしまってからは生活圏の高さで囀る。 梅の花は生活圏と竹の中間の高さで咲くから、そこに立寄ることがあっても囀る事はあまり期待できないね。
熊さん:それじゃこの歌は間違いなの?
ご隠居:よく似たことは他にもある。 いわゆる文学的表現だね。
ウグイス色。これは黄緑色を指し、メジロ(目白)がその代表。
また梅にウグイスの言葉がある。 昔の人は、メジロと鶯を混同していたようだ。
熊さん:そうか。
梅の花 散らまく惜しみ 我が園の竹の林に鴬鳴くも
春されば木末隠りて鴬ぞ鳴きて去ぬなる梅が下枝に
ご隠居:万葉の時代から混同していたと言う説があって、左はその例として挙げられた中の一部だ。
これだけ見ると、一緒に詠み込まれているだけで、混同しているようには見えない。
一方、花の蜜が大好きなメジロは、花の少ない早春に咲く梅に集まり、色も美しいので画材になる。
これを描いた花札を江戸時代の人が間違って呼んだのが混同の始まりだろう。
熊さん:ウグイスの姿を見たことのない人が多いが、声はよく知られており、歌の材料になるんだね。
最終更新:17/08/10
新規掲載:10/04/02
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