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越前市 澤井

宇宙への窓(−散歩道−)


熊さん:お早う。今日も寒いね。道端が霜で白くなっていたよ。
ご隠居:宇宙への窓が開いていたのだね。
熊さん:ロマンティックな言い回しだけど、何のことか分かりませんよ。
ご隠居:宇宙にはX線や紫外線など生物にとって有害なものが一杯飛び交っている。
 大気がそれらからがっちりガードして、目に見える光や一部の赤外線と電波だけに窓を僅かに開いている。
 でも大気の状態で、その窓も細くなったり閉まったりすることがある。
熊さん:宇宙を望遠鏡で見たり、そういえば電波望遠鏡も聞いたことがあるね。
 冥王星から送ってきた写真も電波の窓を通して受け取ったんだね。
ご隠居:この窓を通して、地上から光や赤外線を出して宇宙に関わりを持っている。
熊さん:宇宙船から地上の景色が見えるから光の話は分かるけど、赤外線はピンと来ない。
ご隠居:十分暖めた部屋の空気をそっくり冷たい空気に入れ替えても、窓を閉めればすぐ暖かくなる。
 あれは、部屋の壁から出てくる赤外線を受けるからだよ。
 すべてのものは、その温度に応じた光(温度が低いとき赤外線)を出す。
熊さん:なるほどね。それじゃ、大気の窓が細くなったり閉まったりするのは?
ご隠居:空が曇ったり火山の煙のが立ち込めているとき、地上の温度が下がるだろう。
 太陽の恵みはほとんど可視光で来るが、その窓が狭くなったと考える。
 逆に曇った夜は晴れた夜より気温が下がらない。
 これは地上からの赤外線の窓が細くなるからだよ。
熊さん:太陽の光の話は分かったけど、赤外線の話は良く分からないよ。
ご隠居:曇った夜は晴れた夜より明るいね。これは雲が光を地上に返すからだ。
 同じように、地上からの赤外線を受けて少し暖まった雲は赤外線の一部を地上へ、残りを宇宙へ送る。
 地上は、戻ってきた赤外線の分だけ暖かくなる。
 これが、窓が細くなったと言うことだよ。
熊さん:なるほど
ご隠居:光を通すが赤外線を通さないガラスで部屋を作ると、日光で暖まるが赤外線が出ないので夜間冷えない。
 これを温室効果という。逆の材料で部屋を作ると、エネルギーを使わずに冷房できる。
 大気も赤外線の一部を通しにくいので温室効果がある。
熊さん:温室効果による温暖化が心配されているのではなかったの?
ご隠居:空気による温室効果のお陰で夜間月面のような−100℃以下の極寒にならない。
 適度な温室効果は必要不可欠だが行き過ぎると問題になる。
最終更新:17/08/08
新規掲載:10/01/16
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