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冬将軍（−散歩道−）

熊さん：おー寒い。今年も冬将軍がやって来た。
ご隠居：連戦連勝のナポレオンもロシアでは寒気に大敗した。
この故事にちなんで、強い寒気を冬将軍と言う。
熊さん：冬将軍には日本海の筋状の雲が付き物だね。 あの筋は何故できるの?
ご隠居：熊さんは水面を棒でかき混ぜたことがあるかい?
熊さん：水遊び大好き。今でも孫とよくやるよ。
ご隠居：棒の後に交互に反対まわりの渦ができる。
熊さん：あっ思い出した。 でも日本海をまぜる大きな棒はどこにあるの?それに、誰がかき回すの?
ご隠居：右写真を大きくして、福井あたりに伸びた一際太い筋の源を見てご覧。 大陸に外輪山に伴った白い山が見えるだろう。 北朝鮮と中国の国境の白頭山だ。周りの山と共同で、風の流れをかき混ぜている。
熊さん：分かった。富士山や四国山地の風下にも同じように筋ができているね。
ご隠居：山は季節風を上下の方向にも掻き混ぜるので、出来た渦が暖かい海面とたっぷり接触して水蒸気を吸い上げる。 これが雪雲になって、福井から新潟にかけての豪雪を降らせる。 また、この雪のお陰で太平洋側は水不足にならずに済んでいる。
熊さん：九州に伸びた筋の源は、済州島や、山東半島だね。
ご隠居：日本海側が表日本だった神功皇后の時代から今まで、 大陸とはいろんな意味で深いかかわりがあるよ。
熊さん：ありがとう。よく分かった。
ご隠居：この写真ではウラジオストックの北のハンカ湖や日本海の水温が周囲より高いことも分かる。 最近は地表の情報を消して雲を強調しているが、余分の情報がなくなるのは寂しいね。

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