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澤井

剣ヶ峰(−散歩道−)

熊さん:暖冬だ、温暖化だと騒ぐ一方で小氷河期が来ると言う人もいるよ。
ご隠居:色々な要因が絡んでいるからね。 地表温度の大部分は、宇宙への窓の話のように太陽からの可視光と、宇宙へ出る赤外線で決まる。 気温の上下はこのバランスの問題だ。
熊さん:小氷河期説の根拠は何なの?
ご隠居:2010年の前後で太陽黒点がほとんど無い。
 これは太陽活動が低下した証拠だ。 これだけ黒点がなくなるのは、近年では稀な現象だよ。
もし太陽活動低下の影響で極地の氷が増加すると、これが太陽光を反射することで益々光エネルギーが減少し、気温が低下、極地の氷が増加する。 このほか、太陽活動の低下で地球を取り巻く放射線帯が影響を受けて宇宙ゴミが増加、地上に届く太陽光が影響を受ける。
 これらの循環で小氷河期が来ると言う説明だよ。
熊さん:なるほど。それでは温暖化説は?
ご隠居:炭酸ガスによる温室効果が第一原因。 さらに、気温上昇で極地の氷が溶けると太陽光の吸収が増加し、それにより気温が上昇する。 この結果、海水に溶けている炭酸ガスが放出されるとともに、極地の地下や海底にある天然ガスが大気中に放出される。 天然ガスは炭酸ガスより温室効果が強い。 また、気温上昇で大気中の水蒸気が増す。これも強い温室効果があり、益々気温が上昇する。
 また、北極で氷ができなくなると、海水の塩分が変化し、その結果深海流が減少し海水温が上昇、台風の勢力が増す。
熊さん:どちらにしても、「風が吹いて桶屋が儲かる」話のようだね。
ご隠居:茶化さないで、各自が自分のこととして考える必要がある。 剣ヶ峰の上でバランスをとっている感覚だよ。どちらに転んでもそのまま勢いよく転がって行く。
熊さん:過去に何回も剣が峰から落ちたり戻ったりしているね。
ご隠居:隕石や火山噴火による粉塵の影響で空が暗くなって氷河期に入ったり、 火山噴火による炭酸ガスの増加で間氷期に戻ったりしているようだね。
熊さん:ふ〜ん。 それでは、現代はいったいどこに行くのだろう?
ご隠居:学者たちは、太陽活動の低下は温暖化を若干遅らす程度だろうと言っている。
どこに行くにしても、気温が変われば風が変わる。 風が変われば雨の降り方が変わる。 砂漠が緑化する方向に変われば良いが、農耕地が砂漠に変わると食料不足が起きる。 食料不足は飢饉を起こし、食料を奪い合う戦争の原因となり、いずれにしても死者が出る。
地球が豊なとき合理的であったアメリカ流自由主義は、こうなると無力だね。
熊さん:そこまで言うなら、自由主義の代わりはなんだろう?
ご隠居:それが分かるなら隠居なんかしていないよ。
最終更新:17/08/12
新規掲載:10/01/18
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